退院しました。

4月16日に退院しまして、一週間ちょっと、自宅で静養してました。静養というか、ごろごろしてるだけなんですけどね。まあ、なんにもしないことが静養ですから。

入院中は、自宅に帰ったら、パソコンやるぞ、と思ってたんですが、一度スイッチを入れてしまうと毎日パソコンの前に座りっぱなしで、静養にならないということが分かっていたので、あえてスイッチを入れないように気を付けてました(笑)。その結果、パソコンなしでも暮らしていけるということが判明(あたりまえか)。これが毎日ネットに繋げてると必需品になってしまうのだから不思議です。

入院生活もなかなか楽しかったです。
前の日記で、すごく痛かったことを書きましたが、痛かったのはその日だけで、その後は痛みは全然なく、本当に元気でした。元気、というか、病人という感じではなかったし、本人も病気であることは自覚してても、あんまり病人という意識がなかったので、入院したときにベットに案内されて「じゃあ、着替えておやすみになっていてください」と言われてちょっとびっくり。
病院だから、パジャマ着て、ベットで横になってるのはあたりまえなんだけど、普通に暮らしてたのにいきなり昼間っから寝てるっていうのはやっぱり変な感じでした。

それで、食事は運んできてくれるし、昼間っからテレビばっかり見てごろごろしてても誰も文句いわないし、本もいっぱい読めるしなんていい生活なんだ、と思ったものです。

でも、日に日に少しずつお腹が張ってくる(腫瘍が大きくなっていってた)ので、手術が待ち遠しかったです。普通の人は手術前に緊張して、前の晩に眠れなくなることが多いので、睡眠薬を処方されます。私のときも睡眠薬入りますか?と言われたので一応もらいました。でも私の場合は、緊張感は全くなくて、「やっと手術だー」とうれしくてわくわくして眠れませんでした(笑)。ホントです。それくらい元気があったんですね。

手術当日も普通はみんな緊張するみたいなんですが、麻酔かけられる直前までリラックスしてました。もう、お腹が張って苦しくて、手術したらこれがなくなるんだーと思ったらうれしくなっちゃいました。で、手術後、麻酔が覚めたらお腹がぺっちゃんこになってて、すっごいうれしかったです。とりだした腫瘍はホントに大きくて、赤ちゃんくらいあったみたい。看護婦さんが「体重が3,4キロ減ったんじゃない?」と言ってたくらいです。事実、家に帰ってから量ったら、入院前よりも5キロも減ってました。入院中に痩せたという訳ではなく、お腹の中のものがなくなったからだと思います。いやー、あんなものができちゃうなんて、人間の体って、不思議ですねー。

実は、最初に病院に行った日の二日前にバイト先でころんで(「ぱんだブックス」の「パンダな日常」を見てみよう!)、その所為で腫瘍のなかで出血してたようです。で、手術前からかなり貧血がひどかった。でも、本人に自覚なし。たぶん、前々から貧血持ちで、低血圧だったようなのですが、本人はまったく気がついてなくて、検査してみてはじめて知りました。手術前後はそれがますますひどくなってて、その所為で退院も延びるかもしれない状況でした。その他の経過は順調だったんですけど。私は自分では血の気が多くて高血圧なのだと勝手に思い込んでいたのですが、それが今回の入院でまったく逆だったことが判明して自分が一番驚きました。貧血で低血圧だなんて、かよわい女の子みたいじゃないですか。バリバリ突き進むタイプなのに。

幸い、退院も予定通りできて、貧血もそれなりによくなってるみたいです。退院前は、貧血度を表す血液中のなんかの数値が普通の人の半分だって言われました。その時点でも私自身はそんなにひどい貧血だと感じていなくて、普通に歩いたり動いたりしてました。女の人って、貧血に強くできてるらしいです。

退院する頃にはすっかり元気になっていて、楽しかった入院生活もだんだん時間を持て余し、退屈になってきました。病院の食事にも飽きて、他のものを食べたくなってきました。ちょっと弱ってるときには快適だった入院生活も、元気な人には退屈なものだということが分かってきました。元気といっても、お腹切った訳ですから、そんなすぐに元気にはなりませんが、自分で歩いたりできるようになってくるとずっと病院にいるのは苦痛です。退院して、病院からでて、外の空気を吸うのは気持ちよかったです。

今は自宅にいて、大分いろいろなことができるようになりました。掃除や料理もできます。走ったり、自転車に乗ったりはできませんが、近所を散歩したりしてます。私は基本的にのんびりごろごろするのが大好きなので、今、家ごろごろしてるのは楽しいです。これが働き者の仕事好きな人だったら耐えられないかもしれません。

そういえば、前回の日記で病気のことを書いたら、何人かの方に、「そんなことHPに載せていいの?」とか「個人的なことだから載せない方がいいんじゃない?」というようなことを言われました。みなさん、心配してくださって言って下さるのでありがたいです。

が、私自身は隠すようなことはないと思ってます。病気のことは確かに個人的なことですが、このHP自体、私の個人的なことだらけで構成されていて、もっと重要だと思われる個人情報も載ってます。例えばプロフィールとか、仕事場とか。

病気になっただけならば、わざわざHPで報告しなくてもよかったのですが、入院することでこのHPの更新が滞ったり、メールのチェックができなくなったりして、いろいろと支障がでて、御迷惑をかけてしまう方々がいるので、その理由をきちんと伝えたかったということがあります。その場合、変に隠してもっと違う病気と誤解されるよりは、ちゃんと病状を説明した方がいいと思いました。

「載せない方がいいんじゃないか」という方々の中には、卵巣の腫瘍だからという理由からで載せないほうがいいと思っている方もいるかもしれません。こういう病気は普通は隠すものなのでしょうか?よくわからないのですが、別に恥ずかしい病気じゃないし、特に隠そうとは思いません。普通の胃潰瘍とか、インフルエンザとか怪我とかと区別して隠す必要はないと思います。今思い付いたんだけど、痔はちょっとはずかしいかも。どこまで隠してどこから公表するかはその人の考え方次第ですね。それに私も、隠したいところはちゃんと隠してあります。でも、ウソは書いてません。

実は、職場に入院の連絡をしたときに、病名も伝えて、手術する旨も伝えたんですが、電話を受けた方(男性)が、職場の他の人たちに伝えるときに変に病名を隠そうとしたらしくって、職場の人たち(主に女性)はちょっと困惑したみたいです。私としてはちゃんと伝えて欲しかったから病名も言ったんですけどね。「過労で入院して、手術もするみたい」とかそういうことを言っていたらしいんですが、過労で手術っていうのはちょっと無理があります(笑)。

私はそんな事態をちょっとだけ予測していたので、その後、職場の人たちには別ルートで病状などをきちんと伝えました。男の人から女の人にこういう病気を伝えるのってやっぱりちょっと恥ずかしいのかもしれませんね。私の為を思って隠してくれたのかもしれませんが。

私の病気は「卵巣のう腫」というもので、卵巣にできた腫瘍の中に水分(普通は膿のようなもの、私の場合は血液も混ざってた)がたまって、稀に巨大化するらしいです。私の場合は、その稀な例で、お腹いっぱいに膨らんでしまいました。手術の同意書の病名欄にも「巨大な卵巣のう腫」と書いてありました。悪性だと「卵巣ガン」ということになるのでしょうが、私の場合は幸い、良性でした。悪性か良性かは、手術後検査してみないと分からないということで、ちょっとヒヤヒヤしました。

手術後に、とりだした腫瘍の写真を見せてもらいました。なんとも形容しがたいのですが、白くて、ぷよぷよしてました。私は解剖の標本とか、学生時代に結構見ていて、割と平気です。自分の腫瘍の写真は結構面白かったです。もらえるものならもらいたかったのですが、ポラドイドだったし、もらえるようなものではないみたいでした。残念。

「子宮筋腫」とか、「子宮内膜症」(漢字はあってるか分かりません)とかと間違えられそうですが、これらとは違う病気です。「卵巣のう腫」は割と若い人もなりやすいらしいです。でも、原因がよくわからないので、気を付けようがないですね。怪しいと思ったらすぐにお医者さんにいきましょう。「卵巣のう腫」は痛みは全くありません(私が痛かったのは、腫瘍が大きくなって、腰などを圧迫したためで、腫瘍自体は全く痛くなかった)。でも、それが捩じれるとうずくまるくらい痛いらしいです(今考えると、私もたまに痛かったことがあったけど、ガマン強かったためか、うずくまらないで耐えてしまった)。卵巣は二つあるので、片方とっても大丈夫。

うちの母親がよく言うんですが、こういう病気に対して理解のない職場が多いらしいです。私は幸い(?)フリーターで、バイト先も割と寛容なので、すんなり長期休暇をとることができましたが、ちゃんと働いている方は大変なのかもしれません。上司に男性が多いと、対応に困っちゃうんでしょうか。子宮とか、卵巣とかの病気をする人が増えてるそうですから、女性側も男性側もうまく対応できるようになるといいと思います。

入院中の話とか、病気の話とか、まだあるんですが、そのうちぼつぼつといろんなところで書いていきます。たぶん。

最後に、今回、たくさんの方々から励ましのメールとかメッセージとかいただきました。
本当にありがとうございました。

なんだか、今回の日記といい、前回の日記といい、文章にすると結構大変そうです。私は割とあっけらかんと楽しんでいるのですが(本当に大変だったのは両親かも)。とりあえず、元気にのほほんと過ごしております。ご心配なく。