デキる一人より凡人百人◆『御社の営業がダメな理由』藤本 篤志

帯に「企業人必読。」「凡人だけで最強部隊を作る!」というコピー。企業人ではないけれど、営業さんというお仕事はどういうものかと思い、読んでみた。

結局、当たり前じゃないかと思われる内容ではあったけれど、それが当たり前ではない現実が、実際の企業では当たり前になってしまっているのか、と想像してふむふむと思いつつ読んだのだった。

要するに、一人のデキる営業マンを雇用するよりも、普通の能力の営業マンの潜在能力を引き出すような働かせ方をしたほうがいいよってこと。運良くデキる人を採用できたとしても、そういう人はより条件のいい企業にヘッドハンティングされてしまう可能性が高い、だったら今居る人材とノウハウを生かす方法を考えましょう、ってこと。

これ、営業職に限らず、どの職種にも言えると思うのだけど、凡人はいくら教育しても凡人。しかし、適材適所で、凡人の集団が最大限の能力を発揮できるような組織を作ることは可能。それができるかどうかで会社の収益も変わってくるのではないかな。

突出してデキる人はそれだけ待遇もよくしなければ会社に居着いてくれないけれど、それなりの能力のある凡人であれば、それなりの待遇で長く会社に尽くしてくれるはずだから、見方を変えればお得な人材なんじゃないかと思う。

仕事にやりがいを感じて長く働いている社員が多い会社は、魅力のある会社だと思う。そこを目指して欲しいなぁ。