不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)
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職場の人間関係が危うい。私は会社勤めじゃないけれど、身の回りでうつなどの精神疾患で休職したり離職したりする人たちの多さは実感している。
結局、効率を重視するあまりに人間関係が希薄になってしまって精神的に打ちのめされてしまう人が増えているのではないかと、薄々感じていた。その「なんとなく」の感じが、この本には言葉で明確に述べられていてわかりやすい。
効率を重視しすぎて精神的、肉体的に壊れてしまって休職されるよりは、適度に円滑な人間関係を築ける職場を作って、健康的に長く働いてもらったほうが会社としてもよいのではないかと思う。それには、職場の旅行だとか飲み会だとかスポーツ大会だとか、「無駄」「面倒」と切り捨てられていたイベントを復活させるのも有効。
うまく行っている職場の実例が紹介されているのもいい。こんな会社に勤めたいと思える会社。働いている人たちが生き生きしている職場。経営者だけじゃなくて、みんなでこの本を読んでいい職場作りをしていくと、日本はもっと良くなるのではないかと、ちょっとグローバルな気分になったのだった。