ほっこりとじんわりと◆『矢部太郎の光る君絵』矢部太郎

大河ドラマ「光る君へ」の毎週の放送後にSNSに投稿された、矢部太郎さんのイラストを1冊にまとめた本。毎回、楽しみに見ていたのだけど、ドラマ各回を思いだしながら、紙の本でじっくり堪能。

ドラマの裏側も垣間見られる、矢部さんのほっこりするマンガもたっぷり収録されていて嬉しい。そして、最後はじんわりと暖かい。

イラストのタッチが、線画ではなくて、淡い色調で水彩画のように表現されているところに、このドラマに対する矢部さんの思いや感想が詰まっているように感じた。ドラマを見てないと、どんな場面なのかわかりにくいのだけど、見ている人にとっては、ああ、この場面かぁとわかるような表現も面白い。そして、ドラマの画面とは違う視点から描かれているものも多い。それは実際に演じていた矢部さんが見た風景だったり、複数の場面を組み合わせたものだったり、希望や物語の背景を描き混んだものだったり。

矢部さんの本は電子書籍で買ってるのだけど、これは紙の本で買って正解だった。装丁は名久井直子さん。