実は薬の副作用との闘いなのよ◆『安奈淳、膠原病と闘う』安奈 淳

宝塚の元トップスター、安奈淳さんの闘病記。膠原病で入院して、その後舞台復帰、現在も活躍中。以前、まだ仕事に復帰したばかりの頃に「徹子の部屋」に出演していて、そこで病気治療の話などをされていたのを見た。その時はまだ復帰したばかりで舞台も長期のものは無理という話だったが、最近はいろいろな舞台に出演されているようで、見ていて勇気づけられる。

膠原病にもいろいろ種類があって、私は多発性筋炎という病名だけど、安奈さんは全身性エリテマトーデス。実は膠原病という名前の病気はない。心臓病とか皮膚病とかと同じで、病気のグループの名前が膠原病。全身性エリテマトーデスの他には慢性関節リウマチや強皮症なんかが膠原病に含まれている。国から難病に指定されているものが多くて、患者として認定されれば医療費の補助が受けられる。

「徹子の部屋」で入院に至る過程なんかを話していたけれど、本にもほぼ同じ内容のことが書かれていた。入院したときには体中に水が溜まっていて、命も危険な状態だったそうだ。駆け込んだ聖路加病院の医師達の懸命の治療の甲斐あって一命を取り留めた。その後、薬の副作用によりうつ状態などを乗り越えて、二年後に仕事に復帰。膠原病の代表的な治療薬であるステロイド(副腎皮質ホルモン)は現在も飲んでいるそうだ(これはほぼ一生飲み続けることになるはず)。膠原病は完治するのは難しいけれど、薬を飲み続けることで症状を抑えながら普通の生活をすることは可能。そうは言っても副作用もあるし、健康な人と比べたら大変だけど。

安奈さんの場合は、とにかくうつ状態がひどい。薬の副作用で数が数えられなくなってしまったり、麻雀のルールを忘れてしまったり、お見舞いに来た人を覚えていなかったりという精神的なダメージが大きい。自殺しようとしたことも何度かあったらしい。

私も、そこまでひどくないけれど、ステロイドをたくさん飲んでいるときに鬱々としたり、自殺したら楽かもと考えてしまったり(これは病気を苦にとかいうのとはちょっと違う)、集中力がなくなって思考がまとまらなかったり、本が読めなくなったり、ドラマを見ていてもストーリーが頭に入ってこなかったり、ちょっと荒れてみたりしたので、すごくよくわかる。

私自身が膠原病で、自分でいろいろな本を読んでいたので、この本を読んで膠原病についての新しい情報が得られたわけではないけれど、病気とのつきあい方とか、病気になってから人生感が変わったとか、そういう話はとても共感できた。「そうそう、そうなのよねー」と頷きながら読んだのだった。

私自身、楽観主義で病気とものんびりゆっくり付き合っていくしかないなと、腹を決めている。「なんでこうなったんだろう」とか後ろ向きなことはあんまり考えない。安奈さんもそんな性格らしい。しかもすごく努力家でまじめ。目標に向かって黙々とがんばる性格らしい。だから、きっと、現在闘病中の人でこの本を読んで勇気づけられる人って多いと思う。なんだって、明るく楽しく前向きに考えれば乗り越えられるのだ。あと、病気になると周りの人の親切や優しさや愛情がしみじみ身にしみる。そうして自分も他人にやさしい気持ちになれる。なんだか、そういう気持ちになれた自分に対しても以前よりやさしくなれるような気がするのがいいなと最近思うのだった。

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