副腎皮質ホルモンのこと

退院して三日。病院生活に馴染んでしまってなんだか生活のリズムがつかめなかったのだけど、やっとなんとなく慣れてきた。自宅に慣れてきたというのも変だけど。

病院のいいところは、スケジュール通りに食事などがでてくるところ。家だとそうはいかない。家族の都合で食事の時間が変わってくる。これは仕方ないけど、薬の副作用でお腹が空いてしまう私は間食を我慢しなければいけないので、ちょっとつらいかも。耐えられないほどじゃないんだけど、う~お腹空いたぁ、と思ってしまうともう食事が待ち遠しい。食いしん坊だなぁ。

病院では夜、あまり眠れなかった。3、4時間眠ればいい方。これは薬の所為なのか(副作用に不眠というのもある)、病院という環境の所為なのか、その両方なのかわからない。でも不思議なことに睡眠時間3、4時間でもそれほどつらくなかったのだ。一日中だらだらとベットの上にいたからかも。自宅に帰ったら眠れると思っていたのだけど、自宅でも3、4時間睡眠になってしまった。さすがにこれではいかん、と頑張って寝れるときに寝るようにしている。病気治す為にも寝た方がいい。そうしたら、やっと少し眠れるようになってきた。この調子で、もとの8時間睡眠に戻すのだ。あんなに寝ていた日々はいったいなんだったんだろう。

薬(ステロイド)の副作用というのもいろいろあって、軽いものでは、まず下頬のあたりに肉がついて顔が丸くなる(ムーンフェイス)。私はもともと丸顔なので、よくわからないと思ったのだけど、ちょっとムッチリしてきた(ような気がする)。あとは、毛が濃くなるとか、不眠とか、食欲増進とか、精神的なものでは鬱なんていうのもある(これは個人差が大きいらしい)。免疫力が落ちるので、感染症も恐い。重いものでは胃炎、胃潰瘍、糖尿病、骨粗鬆症などなど、とにかく副作用はいっぱいある。

でも副作用の危険性は薬の量によって変わってくるし、私の場合はまあまあの量なのだけど、副作用ばかり心配していてもしかたないので、太り過ぎと風邪に注意して、あとは深く考えないようにしている。薬の量が減れば、丸顔とかの副作用も消えるそうだ。ステロイドはとにかく、人によって飲む量にものすごく差があるので、一概には言えないのだけど、よく効く分、副作用もハンパではないのだ。だから、大量に飲んでいる人は入院して副作用がでないようにチェックしなければいけないらしい。病院で、私と同室だった人は、治療は飲み薬(ステロイド)だけで、点滴もなんにもないのだけど、その量が多いために、退院させてもらえず可哀想だった。痛いところもなく、見た目元気なのに、入院してなきゃいけないのはちょっと辛い。

ステロイドってなんなのかというと、もともと人間の身体のなかにある副腎皮質ホルモンという物質なのだそうだ。腎臓の上についてる副腎というところで作られる。この副腎皮質ホルモンには炎症を押さえる効果があって、皮膚の炎症を起こしたところに塗る薬や、花粉症の薬などにも使われているらしい。もともと身体の中にある物質でも、大量に飲めば副作用がでてくるのだ。でもね、どういう副作用がでてくるかとか、どういう風に使用すれば安全かとか、昔に比べれば研究も進んでいるみたい。副作用がでてしまったときにすぐに対応できるように定期的にチェックもするし、飲みはじめてしまった以上はお医者さんにお任せするしかない。自分でいっぱい心配してもストレスが溜まるだけだから。その分、本を読んでいろいろ勉強したりしている。本を読んで知識が増えるとちょっと安心するのだ。