多発性筋炎ふたたび悪化!?

膠原病(多発性筋炎)の治療で、今は東京の某病院に月に一度、通っているのだけど、それと平行して、神奈川県内の某大学病院にも3ヶ月に一度、通っている。大学病院には、以前地元の病院にいたお医者さんがいる。東京の病院のお医者さんは週に一度しか外来の診察がないので、なにかあったときに困るというのもあって、大学病院にも行っているのだ。

で、先日、大学病院の方に行ったら、なんと血液検査の数値が悪くなっていた。あんまり自覚症状はなかったのだけど、そういわれてみれば、なんだか足が痛いような。身体がだるいとかいうのはいつものことなので、よくわからないのだ。

本来の症状が悪くなっていたとしても、薬が減って副作用も減っているので、自分的には楽になっている気すらする。逆に、症状が悪化してしまって、薬を増やすことになると、症状は治まっても、副作用が増えるので自分ではそれほど楽にはならない。薬が増えて、副作用も増えた場合は辛くても、これを乗り切れば治る(かも)との信念でひたすら耐えるしかない。私は筋炎の症状が少しくらい辛くても、薬が少ない方がいい。それで悪化に向かうのだとちょっと困るけれども、少しずつでも快方に向かうのだったら、薬で無理矢理に症状を押さえるよりは、ゆっくりと治して行くほうがいい。

大学病院のお医者には、「ぼくだったら薬(ステロイド)を増やすけどね」と言われた。実際、昨年の同じ時期に悪くなったときには12.5mg/日だったのが一気に30mg/日にまで増やされてしまった。今回は昨年よりも数値的にはもっと悪い。ステロイドは今、10mg/日。このお医者にかかっていたらまた30mg/日まで増やされてしまうに違いない。だけど、今は東京のお医者が主治医なので、「(東京のお医者に)相談してみなさい」と言われたのだった。ひとまず良かった。

でもこれで東京のお医者にも薬を増やされるかも、と不安になると同時に、二人のお医者が同じ判断をしたんだったら仕方ないかなとも思った。これが世に言うセカンド・オピニオンというやつか。患者としては二人のお医者の意見を聞けるから納得した治療が受けられるというものだ。

次の日に東京の病院に行ってみた。大学病院の検査結果を見せたら、大学病院の先生ほどの動揺もなく、平然としていた。で、「とりあえず様子を見ましょう」とのこと。おお、薬、増えないのかー。曰く「薬を増やすのは簡単だし、増やせば数値が良くなるのは分かってるけど、薬を減らすのには時間がかかるから」とのこと。うんうん。納得。今は自覚症状もそれほどないから、これで様子を見てさらに悪くなるようなら増やしましょうと言うことらしい。

大学病院で「ぼくだったら薬(ステロイド)を増やすけどね」と言われた、と言ったら、「大学病院はすぐ薬を増やすんだよ」だって。やっぱりそうなんだーー。昨年、薬を増やされたときは、納得いかなかったけれど、そのお医者以外にはかかっていなかったし、言われるままにするしか仕方なかった。嫌ですって言っても他に意見を聞くお医者さんの心当たりもなかった。いやはや、やっぱり東京の病院のお医者さんに通うことにしてよかった。言われるままに大学病院にだけに通っていたら、またしても副作用地獄に陥るところだった。

ステロイドの副作用は、全体に浮腫むし、脂肪が身体の中心に付くので顔は丸くなって肩のあたりも丸くなる。あまり良く眠れなくなって、精神的にも落ち着かない。集中力がなくなるので、本を読んだり、細かい作業をすることができなくなる。大量に飲んでいるときには、思考がまとまらず、こうやって、長い文章を書くことも難しかった。最近やっと落ち着いて本が読めるようになって、ある程度長い文章も自然に書くことができるようになってきたのだ。

一方、筋炎の症状は一般的に言う筋肉痛のようなもの。人によっては筋力が衰えて力が入らなくなるらしいのだけど、私の場合は筋力はそれほど衰えていない。ちょっと力が入りにくかったり、だるかったりすることはあるけれども。多少、間質性肺炎の合併症があるので、症状が進むと息苦しかったり咳が出たりするのだけど、最近はそういう症状はほとんどない。いずれにせよ肉体的なものなので、精神的につらいことはない。

それよりも、ステロイドを飲むことで本が読めなかったり、文章が書けなかったりすることのほうが遥かに辛い。このどっちが辛いかというバロメーターはたぶん、人によって違うのだと思う。だから、私の場合は副作用のほうが辛いけれど、人によっては副作用がそれほど出ない人もいるだろうし、肉体的な痛みが取れる方がいいと言う人もいると思う。

大事なのは、いくつかの治療法の選択肢から、患者自身が選ぶことができるかどうか。同じ病院で複数の医師がいたら、それぞれの意見を聞くことができればいいと思う。以前に通っていた地元の病院では膠原病の医師がひとりしかいなかったけれど、大学病院では複数の医師がいる。だから、できればもっと気軽に他の医師の意見も聞くことができればいいのだけど、実際にはなかなかそうは言い出せない。やっぱり大半の患者さんは主治医の意見を黙って聞くしかないのだ。

東京のお医者によると、薬を減らしたときには一時的に悪くなることもあるし、調べる日によって悪いときといいときがあるとのこと。だから、しばらくしてもう一度調べてみて悪いようだったら、また考えましょうとのこと。次に行ったら薬が増えることになるかも知れないけれど、それは仕方ない。最低限のラインで増やしてもらって、辛抱強く治さねば。