アロマセラピーは単なる癒しでなく、実際の症状にも効く。なぜ効くのか、わかりやすく説明してある。頭痛、腰痛、肩こりなどの痛みや、食欲不振、肥満、生活習慣病、アトピーなどのアレルギーや風邪などの肉体的な症状、PTSDやうつ病などの精神的な疾患など幅広い層状に効果が期待できる。
植物から抽出された精油は、匂いを嗅ぐことによって鼻から体内に取り込まれたり、肌に塗ることによって肌から吸収されたりする。それによって精油の成分が体のいろいろな症状に作用するのだ。
精油の特徴としては、蒸留させる過程で成分が変化して、もとの植物が持っている成分とは異なる成分ができることらしい。真正ラベンダーには酢酸リナリルという鎮痛作用などがある成分が含まれているのだが、これはもとのラベンダーにはあまり含まれていないらしい。なので、庭で栽培したラベンダーをハーブティーにしても鎮痛作用はないみたい。これはちょっと意外だった。
ラベンダーはアロマセラピーでも一般的な香りだけど、この本によれば、日本人には馴染みのない香りなので日本人でこの香りが好きだという人は少ないそうだ。確かに、私もラベンダーの香りはあまり好きではなかった。アロマというとこの香りを思い出して、心地いいと言うよりはむっとくるような気分になってしまっていた。いままでアロマセラピーを敬遠していたのはこれも原因だったりする。今はそれほど嫌いではないけれど、それでもとても好きかと言われるとそうでもない。
ラベンダーにはリラックス効果があると言われているけれど、ラベンダーをきらいな日本人にとってはその効果はあまり期待できないらしい。でも他にもリラックス効果のある精油はあるので、それを代用するといいらしい。オレンジなどの柑橘系の香りは日本人にも好まれる香りのようだ。
でも、嫌いな香りだとその効果が全くないかというとそうでもないらしく、芳香成分が体内に入ることによって、症状の改善が期待できるようだ。精油の種類とその効用や、精油の選び方、症状別の使用方法などが紹介されていて、自分でアロマセラピーを実践したい人には参考になる。