「スターウォーズ」で言ったら、“エピソード1”といったところ。「巷説百物語」シリーズの語り部、山岡百介と出会う前の御行、又市の若い頃の話。
後には巧妙な仕掛けで難事を次々と解決してゆく又市だが、この頃はまだ駆け出し。若さゆえに青臭く、失敗もする。しかし躍動感があって読んでいて気持ちが良かった。
このシリーズ、全部読んではいるのだけど例によって細かいストーリーは忘れている。この“エピソード1”に出てきた人物で、後にも出てくるのはいったい誰と誰なのか。知らない(というか忘れているだけなのだけど)が故に面白いということもある。逆に、知っていればもっと面白かったのかもしれない。
いくつかのエピソードが連なって、最後には多くの人死にを出す難事件に発展してしまう。どうも、次に繋がるような含みのある終わり方。次回作でこの伏線が生きてくるのだろうか。
しかし次回作を読むまでにはまた、このストーリーを忘れてしまうのだった…。だって複雑なんだもん。