筆談ホステス
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耳が不自由な女性がホステスに、と聞いてすごいと思ってしまう人が多いのだとしたら、日本では障害者の社会進出があまり進んでいないということなのかも。しかしそうだとしたら、この本は障害を持つ方々にとても勇気を与えると思う。
筆談というハンデを逆に武器にしてお客様とコミュニケーションを取る斉藤里恵さん。障害を持っているがゆえの辛い体験も多々あるけれど、辛い思いをたくさんしてきた分、他人の心の痛みにも敏感なのだと思う。そしていつでも前向きに、小さな幸せを大切に生きていくことができるのだろう。
聴覚障害を持つ里恵さんの幼少期からホステスとして活躍する現在までの半生をまとめた本だけど、障害はなくとも同じように家族との確執や周りの人間関係での悩みを抱える人は多いと思う。そういう人たちの共感を呼ぶ本だと思った。辛いことも糧にして、前向きに生きる姿に元気をもらった。