![]() |
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
|
本屋大賞受賞作。全体的に暗くて救いようがない結末、というレビューが多かったので(結末は賛否両論だけど)、あまり読む気がしなかったのだけど、映画がヒットしているというので読んでみた。
かなり一気に読めてしまったけれど、読後感はたしかによくはない。しかし悪くもない。これで、人が死ななければいいのに。表面的には何も事件が起こっていないのだけど、当事者にとっては大事件、みたいな話のほうが、読んだ後に「うーむ」と唸ってしまうのだ。チェーホフみたいにね。
まぁ、逆に、人が死んでるにもかかわらず登場人物たちが妙に冷静だったりするところがこの小説の面白さなのかもしれないけど、私はあんまり好きじゃないなぁ。
すごく悪趣味な冗談を聞いてしまった後みたいな、そんな読後感だった。面白いけど、それはちょっと…という感じ。
で、興味深かったのは、巻末の中島哲也監督のインタビュー。映画化しようと思った理由や、子役を含めた俳優さんたちとのやりとり、撮影エピソードなんかが面白かった。本を読んでから読むからこそ味わえる面白さ。このインタビューを読むために、本編を読む価値はあるかも。ちょっと言い過ぎか。
そんなわけで、映画は見てみたい。中島監督の映画はもともと好きなので、どういう風になっているのか気になる。