コミュニケーションツールとしての雑談の上手な使い方が書かれていて、参考になる。ただ、もともと人づきあいが上手な人には不要。おそらく、本書に書かれていることは自然にいつもやっていることだと思う。自然にいつもやっていることを客観的に解説されるとなるほどと思うことも多いので、そういう意味では面白いかもしれない。
人間関係がどうもうまくいかない、仕事上での付き合いが苦手、などという人にはかなり役に立つ1冊だと思う。雑談というのは要するに無駄話なのだけど、その無駄話が人間関係を円滑にしたり、ビジネスを成功に導いたりするのだから、侮れない。
お天気の話をしたり相手を褒めたり、相手の言うことに相づちを打ったりするだけでも、「この人いい人かも」という好印象を相手に与えて、そのあとの必要な会話や商談がうまくいくことがある。ほんのちょっとの会話でコミュニケーションがうまくいくのだったら、それは「無駄」ではないはず。
人は同じ出身地というだけでも気を許すものなの。雑談の中から相手との接点を見つけけられるかもしれない。たとえ苦手な相手だったとしても雑談の中から意外な素顔を見つければ、こちらの気持ちも少し和らぐことだってある。雑談は、お互いにメリットがあるものなのだ。