新書版でカラー図版が豊富ではあるのだけど、その図版の色がイマイチだったりするのが残念。しかし、相変わらず中野京子さんの歴史と絵画を絡めた文章は面白く、スラスラと読める。
ハプスブルク家といえば、私がハマったミュージカル「エリザベート」。ハプスブルク家最後の皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ悲劇の皇妃。そういう濃いエピソードを知っているとその項は、歴史上の人物たちの関係性がわかっているので読みやすい。
まったくの白紙状態だと、世界史の知識がないと情勢がわからなかったり、同じような名前の人が多かったりして、あとでわけがわからなくなる。この人とこの人は親子だったかなとか、兄弟だったかなとか、この王妃の実家はどこだったかなとか、しかも近親婚も多くて、ほんとうに複雑。でもそこが面白いのだけど。
歴史の小説などを読みつつ、たまにこの本を読み返すと史実の裏側がわかっていいかもしれない。