生き残るのは誰か◆『インシテミル』米澤 穂信

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インシテミル (文春文庫)

  • 米澤 穂信(著) 
  • 文藝春秋
  • ¥ 720 [文庫] 2010-06-10
  • ISBN:9784167773700 / ASIN:4167773708

映画化されたそうで、原作本として書店に平積みされてるのを見て買ってみた。ここのところ、小説(それもミステリーっぽいもの)をほとんど読んでいなかったせいか、かなり楽しめた。

アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせる設定。こういう「閉ざされた空間」というミステリー小説の設定を「クローズドサークル」というんだそうだ。後半で明かされる、主人公の意外な特性。過去の著名なミステリー小説から引用される不気味なメッセージ。解けない謎。

高額の報酬につられて集まった12人が、「主人」の思惑に翻弄されながら疑心暗鬼になり殺人ゲームにまきこまれてゆく。最初は、12人という登場人物の多さに「うわっ」と思ったのだけど、なるほど、一人また一人と殺されて、登場人物たちはどんどん減っていく。いったい誰がこんなことを思いつき、これだけの人数を集めたのか。生き残るのは誰なのか。報酬はきちんと支払われるのか。

ついつい引き込まれて夜更かしして読み切ってしまったのだった。映画も見てみたいもんだ。

しかし、「そして誰もいなくなった」のほうが、設定がシンプルできちんと犯人と動機が明かされる。「インシテミル」はルールが複雑だし、結局最後までわからない謎もある。そこが味噌でもあるんだろうけど。「そして誰もいなくなった」はシンプルで効果的なストーリーとトリックで鮮やかに終盤を迎える。それが名作たる所以だろうな。「インシテミル」は他にもさまざまな作品の要素を内包しているようなので、一概にアガサ・クリスティとだけ比べるのもなんだけど、ほかにあんまりミステリーを読んでないのでつい比べてしまった。

映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」公式サイト

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そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • アガサ クリスティー(著) Agatha Christie(原著)、清水 俊二(翻訳)
  • 早川書房
  • ¥ 714 [文庫] 2003-10
  • ISBN:9784151300806 / ASIN:4151300805