ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)
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犬の話だし、書評でもかなり評価が高かったので期待して読んだのだけど、思っていたのとちょっと違った。これは、どちらかと言えば男性陣が好きな感じの小説かも。
主役は犬たち。ある血統に連なる犬たちの物語が連綿と語られる。あの犬の子どもがこれで、この犬の孫がこれで、この犬の祖父が…って途中で訳が分からなくなってしまった。それよりも一頭の犬の人生(犬生?)をじっくり語ってもらうほうがよいなぁ。
人とかかわりの深い軍用犬の歴史を通して人間の歴史を語るという意味では新鮮だと思う。しかし、どこかこの物語に登場する犬たちには愛着が湧かないのだった。