部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~
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家庭の事情で残業をしないスタイルを取ってきて、社長にまでなった著者による効率的な仕事術が紹介されている。
会議を短くする方法、上司と短時間でコミュニケーションを取る方法など参考になることもいっぱい。しかし、たぶん著者はコミュニケーション能力が人より高いと思う。なので、この本の通りにやろうと思ってもうまくいかない人のほうが多いのかもしれないと思った。もちろん、参考になる部分は多いので仕事の効率アップには役に立つと思う。
時間を守るとか、礼儀正しく、名刺は切らさず、など基本的なことが大事。とにかく効率アップで、仕事はさっさと片付けて、残った時間は家庭に。
仕事の効率アップは、あまりにばっさばっさとやられると余裕がなくて困るかも、とちょっと思ったが、早く帰って家族と共に過ごす時間を作るというのは大賛成。
以前読んだ「経産省」の山田正人さんの話題が出てきてびっくり。「経産省~
」には父親である山田さんが育休を取って子育てをした経験が綴られていた。子育てと、効率的な仕事術、繋がりがないと思っていたけれど、そうか、この二冊はワーク・ライフ・バランスの本なのだ。家庭と仕事の両立ということではどちらも同じ分野なのだった。自分の読書傾向というものはやっぱりどこか繋がっているものだ。
著者は「子育てという大事業を経験した女性のスキルを活用しよう」と言っている。これにも大賛成。「子育てにはすぐれたリスク管理能力とタイムマネジメント能力が欠かせない」のだそう。たしかに。育児休暇を取った女性の評価を下げるなどもってのほかで、むしろ上げるべき、という意見にも大賛成だ。
しかし、こういう評価ができるのは実際に子育てを経験したからこそ。世の男性陣にはまだまだ理解不能だろう。もっともっと、男性に育児を経験させなければ、育児経験のある女性の評価は上がらないだろうなぁと思うのだった。