コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A)
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ニュースで見かけても、あまり身近ではない旧ソ連の国々。紛争が多発していても、その理由はよくわからないし、アメリカがどちらかに肩入れしているとか、ロシアがどちらかについているとか、なぜそうなのか、そうだと何が変わるのか…さっぱり。
本を読んでもわからないかな、と思っていたけれど、この本は読みやすくてわかりやすい。…とはいえ、読んでるときは「なるほど、ふむふむ」と思っていても、読み終わったら…「あれ、それでどうなんだ?」という感じではあるのだけど、ともかく、歴史的にも民族的にも国際的にも複雑で難しい地域なのだということはよく分かった。とてもひとことで言い表せるものではなく、豊富な資源があるが故に各国の利害関係も複雑。
日本人にとっては馴染みが薄い地域ではあるけれど、国際的にはとても重要な地域だし、それだけに注目され、大国が介入してくる。それだけ、魅力的な地域でもあるということだろう。
ひとつの紛争にしても、背後には複雑に絡み合った事情があり、どちらが正しく、どちらが間違っていると言えるものではない。すべてを円満に解決するのは至難の業としか思えない。
こういう国のニュースを伝えるキャスターや、テレビに出ているコメンテーターは、大まかな情勢を理解しているのだろうか。理解してなければ伝えられないだろうから、勉強しているんだろうなぁ。この地域のことだけでも理解するのは大変なのに、ニュースになっている話題全般をオールマイティに扱えるキャスターというのはすごいと、本の内容とは全然関係無いところに思いを馳せてしまった。トップクラスのキャスターになれるのは、ほんの一握りの人なんだと、改めて思った。…わたしには無理だ…。