ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)
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ディズニーランドの裏側を描いたフィクション。フィクションとは言え、ディズニーランドのアトラクション名とかミッキーマウスとかのキャラクターの固有名詞が出てくるので、どこまでがフィクションかよくわからない。よくわからないところがまたいい。
憧れのディズニーランドのスタッフ(キャスト)として雇われた主人公が、裏方の現実を見て、一旦は幻滅するのだけど、徐々に仕事への誇りを持ってゆくという成長小説。途中でミッキーマウスが行方不明になる事件も起こり、ミステリーの様相も。
しかもそれがたった二日とか三日とかのできごとだったりするから、面白い。フィクションの部分はとことんオーバーなほうが逆にリアリティがあったりする。
私はディズニーランド大好きなので、アトラクションやキャラクター、キャストやゲストといったディズニーランド独自の呼び方にも違和感はなかったけれど、ディズニーランドにあまり詳しくない人が読んでも面白いんだろうか。きっと、面白いに違いないと思うけど、もしかしたら理解に苦しむ部分もあるのかもしれない、とも思うのだった。