勝間・藤巻に聞け!「仕事学のすすめ」~自分ブランドで課題克服(NHK出版生活人新書)
|
藤巻幸夫さんの「仕事学」に興味があったので買ってみたけど、勝間和代さんとセットだったので、なんだか微妙な感じ。
この二人の「仕事学」って相反しているように思えるのだけど、お互いを認め合って褒め合っていて少々気持ちが悪い。
藤巻さんは人と向き合って人の心を掴む。人との繋がりを大切にして仕事の幅を広げてゆく。
勝間さんは他人と自分を比べずにひたすら我が道を行く。自分の目指すものに向かって効率的に自己を磨く。
藤巻さんのやり方というのは、他人の影響を受けて自分が成長していく働き方。多種多様な考え方に触れながら、自分と相手との距離を測り、その場その場で臨機応変に対応できる、コミュニケーション能力に長けた人なのだと思う。
勝間さんには他人の視点はなくて、自分の時間をどう使うか、具体的なノウハウを披露しているのだけど、応用しにくい。試験勉強などピンポイントには使えるかもしれないけれど、生き方、働き方全体を考えると共感できる部分がない。というか、そんなの言われなくても当たり前じゃないの、と思える基本的なこと。
ただ、そういうものがない人、若い頃に失敗した勝間さんと同じように他人とコミュニケーションが取れないと悩んでいる人には具体的な方法を示している分、わかりやすいのだろうとも思った。すでに当たり前にコミュニケーション能力がある人に、「どうやってコミュニケーション能力を磨けばいいですか」と聞いてもわからないだろうとも思う。「どうやって歩いてますか」と聞かれてうまく答えられないように。
そういう意味で、コミュニケーションの達人の藤巻さんは、勝間さんの具体的なノウハウに、「あ、コミュニケーションって言葉で説明するとそういうことだったのか」と改めて気付いた部分があるのかもしれない。私の場合は、言葉、というか箇条書きにしてマニュアル化してしまうといかにもそっけなくて、読んでいて殺伐とした気分になってしまったのだった。